Céléjour
セルフケア

夏の夜の眠りに、ラベンダーの一滴を

七月に入り、夜になっても空気が熱を手放さない季節がはじまりました。寝つくまでに時間がかかる、夜中にふと目が覚める──この時期、お客さまとお話ししていても、眠りの浅さについての声がいちばん増えます。

そんな夜の味方として、私たちがいちばん信頼を置いているのがラベンダーです。気休めではありません。成人を対象とした11の臨床試験・のべ628名分を統合した2025年のシステマティックレビューでは、ラベンダー精油の香りを取り入れた人たちの睡眠の質が、統計的にも意味のある水準で改善したと報告されています。年配の方を対象にした別のメタ分析でも、いくつかの香りの中でラベンダーを単独で使ったときに、とりわけ効果が大きい傾向が示されました。

取り入れかたは、驚くほど簡単です。眠る30分ほど前に、アロマストーンへラベンダーを1滴。置き場所は枕元の、エアコンの風が直接あたらないところへ。火も電気も使わないストーンは、そのまま眠ってしまっても心配がいりません。灯りをひとつ落として、香りを3回、ゆっくり呼吸で迎え入れたら、夏の夜の支度はおしまいです。

私自身、工房で一日じゅう花と香りに向き合ったあとは、頭の中がなかなか静かになりません。それでも枕元のラベンダーがほどけはじめると、今日と明日のあいだに、そっと栞が挟まれるような気がします。眠りは、明日の心の余白を注ぐための器。今夜のあなたの器が、静かに満ちますように。

参考:The Sleep-Enhancing Effect of Lavender Essential Oil in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis(2025年、11RCT・628名、PubMed: 40600743)/ Effects of aromatherapy on sleep quality in older adults: A meta-analysis(2024年、PubMed: 39654196)