Céléjour
セルフケア

柚子の香りが、夏の疲れとだるさをそっとほどいてくれる理由

汗ばむ日が続くこの時期、朝から身体の奥に重たいものが残っているような、原因のはっきりしない夏の気だるさを感じることはないでしょうか。がんばりが足りないわけではなく、暑さと湿度、そして頭の中で鳴り続ける予定の音が、少しずつ心の水位を下げているだけなのかもしれません。

柚子の香りが、緊張とだるさをほどく

日本の柑橘・柚子の香りについては、興味深い研究報告があります。松本氏らの研究チームは、柚子精油の香りを嗅ぐことで気分の乱れの総量が下がり、なかでも緊張感と疲労感の項目が有意に低下したこと、そしてその変化が香りを嗅いだあと最大35分ほど続いたことを報告しています。柑橘らしい透明感のある香りが、自律神経のはたらきにもそっと関わっていると考えられているのです。

夜、3分だけの手当て

取り入れかたに、難しい手順は要りません。洗面器のお湯かバスタブに、柚子の精油を2、3滴。あるいはアロマストーンに1滴落として、デスクや枕元に置くだけでも構いません。香りが鼻に届いたら、目を閉じて三度、ゆっくり息を吸って吐く。それだけで、今日という日にひと区切りをつける時間になります。

私自身、工房で一年のうちいちばん忙しくなるこの季節は、気づけば夕方まで水分も休憩も後回しにしていることがあります。それでも、柚子を象った小さな香りの器を手元に置くようになってから、ふと肩の力が抜ける瞬間が増えたように感じています。

香りは、がんばりを増やすためのものではなく、がんばった一日にそっと区切りを差し出すためにあるのだと、私たちは考えています。今夜のあなたの気だるさが、柚子の香りとともに少しだけほどけていきますように。

参考:Matsumoto T, Kimura T, Hayashi T.(2016)「Aromatic effects of a Japanese citrus fruit—yuzu (Citrus junos Sieb. ex Tanaka)—on psychoemotional states and autonomic nervous system activity during the menstrual cycle: a single-blind randomized controlled crossover study」BioPsychoSocial Medicine